かずあき先生って音楽理論が得意じゃないですか。
音楽理論を知っていて良かったことってありますか?
いっぱいありますよー!
音楽理論を知らなかったら、私はとっくに廃業していたと思います。
今回の記事では、プロベーシストの現場仕事のなかで「音楽理論を知っていてよかったー!」と思った瞬間を紹介します。
音楽理論を知っていて良かった場面
知らない曲をリクエストされたとき
知らない楽曲を演奏しなければならないとき。
まずはこれです。
これが一番多いかもしれません。
職業柄「一度も聴いたことが曲を、その場で弾かなければいけない」という場面が多々あるんです。
もちろん楽譜なんてありません。
初めて聴く名前も知らない楽曲を、リアルタイムで次に来る音を予測しながら演奏します。
バンドカラオケやPOPS系のセッションホスト、楽器のインストラクターなどのを仕事をしていると、このような「初聴即興演奏」の技術が求められます。
音楽理論をある程度学んでいると『この流れなら、次に配置されているコードはこれだろう』という予測が立てられるんです。
鍛えると、正答率は85%以上になります。
具体的には、この下記の知識を使って総合的に判別します。
この技術だけで過去何千回も命拾いしました。
現場では、こんなやりとりがあることも多々あります。
これを解釈するために、音楽理論は私にとって必須知識です。
急な移調に対応できる
「手元にある楽譜と違うKeyでリクエストされる」
こちらも、かなりの確率で遭遇します。
ヴォーカルさんから「今日は喉をセーブしたいのでKey=Xでお願いします」という指示が入ったり。
「今日は場を繋がなきゃいけないから、最後に半音転調でサビをくっ付けて尺を伸ばそうか」という決まり事が発生したり。
このように緊急で移調・転調に対応しなければいけない場合に、音楽理論の知識が役立ちます。
という工程を、レイテンシーゼロで再現しながら演奏します。
この技術もほぼ毎日使います…!
ダイアトニックコードとディグリーの知識を使うことで、対応できます!
楽譜が見れない状況のとき
「楽譜を準備してない状態で曲が始まってしまう」
これ、めちゃくちゃ多いんです…。
イベントのBGM生演奏のお仕事などで、予期せぬタイミングでキュー(合図)が入ることがあるんです。
「待って待ってwwwその曲やるのwwww」
「ちょっとwwwまだ楽譜出してないwww」
こんな状態です。
事故です。冷や汗をかくタイミングです。
こんなときは、最初に紹介したの“初聴の曲を演奏する技術”を使って対応します。
現場で揉まれる中で身についた、生きるための術です…!
譜めくりペダルを持っていると、命拾いする確率があがります。
命綱としてギグバッグに入っていると、安心感が違います!
短期間で大量の曲を覚えなくてはいけないとき
楽器の大会やコンクールの時期になると
「1週間後までに100曲覚えてきてください」
みたいな依頼を受けることも少なくありません。
そんな無茶振りにも落ち着いて対応できるのは、楽曲を理論的に解釈することができるからです。
コード進行やベースラインを、ディグリーやファンクション、A.N.Sの知識と組み合わせることで爆速で曲を覚えることができます。
覚え方の例は「ジャズのコード進行の覚え方」の記事で詳しく解説しています!
演奏中にロストしたとき
LOST
ロスト。
演奏中に自分がどこを弾いているのか迷子になってしまう状況のことを指します。
拍を数え損ねたり。
シンプルに気が散っていたり。
他の楽器陣が想定外のリズムを奏でてきたり。
ソロを弾いてるプレイヤーがアウトしまくっていたり。
ロストの原因は数知れず。
そんなとき、耳でコードファンクションやコードスケールの匂いを嗅ぎ分けることができると瞬時に正しい小節に戻ることができます。
「IVm7( =SD.m)の香りがしたぞ!」
「今のは絶対ロクリアン系のフレーズだからii-vのトリガー!」
頭の中はこんな感じ。
実戦における音楽理論について
こうやって書き出してみると、いずれも「音楽理論は嗅覚がないと現場では使えないのかな」という印象を受けますね。
BASS NOTE内では何度もお伝えしていますが、音楽は紙の上で勉強するものではありません。
リズム( =律動)も。メロディー( =旋律)も。ハーモニー( =和声)も。そしてセオリー( =理論)も。
必ず耳を使って習得する必要があります。
音を理論的に嗅ぎ分ける力、すなわち嗅覚が鍛えられていなければ 音楽理論をいくら正確に勉強しても現場で有益に取り扱うことはできません。
音楽理論を2Dで勉強したあとは、必ず楽器や音源と照らし合わせて4DXで理解するようにしましょう!