「スケール」
「モード」
このふたつの単語は、現代音楽においてはほぼ同意義の言葉として扱われています。
我々ジャズミュージシャンも「スケール」と「モード」を相互変換可能な音階をあらわす言葉として使用します。
「フリジアンスケールで演奏しましょう」
「フリジアンモードで演奏しましょう」
例として、これはどちらも「フリジアンという音の配列(=音階)を使って演奏しましょう」という意味の文章になります。
モードとは
そもそもモードって何ですか?
これはですねー…。
「モードとは◯◯◯を指す言葉です!」と一言で断言することができないのが現状なんです。
と、いうのも――。
- 古典音楽
- 民族音楽
- 現代音楽
- 音楽理論
上記のどの話の文脈中に登場にしたのかによって、モードという言葉の定義は微妙に異なってくるのです。
時代の流れやジャンル、流派によって、このひとつの言葉にたくさんの意味が含まれてしまったのがその原因ですね。
これはざっくりとした例ですが、
- 古典音楽を語るときには旋法を指す言葉
- エスニックミュージックを語るときには雰囲気を指す言葉
- ポピュラー音楽やCSTを語るときには音階を指す言葉
このようなニュアンスで使用される場面が多いです。
古代ギリシャの音楽、中世のグレゴリオ聖歌、近代のコードスケール理論などなど…。
登場する場面によって「モード」という言葉の意味は変わってきます。
教則本を3冊買ったら、それぞれに違う説明が書いてあるくらい曖昧な単語なんです。
これが「モード」を一言で説明できない理由になります。
BASS NOTE内での「モード」と「スケール」の使い分け
「曖昧」をきちんと整理するのがBASS NOTEです。
僕の記事やレッスンや、オンラインコミュニティ内での「モード」と「スケール」の使い分けについてまとめてみました。
何かの参考になれば幸いです。
「モード」について
D7-Dm7-G7-C△7
このD7はどうやって演奏したらいいですか?
このII7コードは、こちらの記事でメロディックマイナーのIV度からの借用和音であることを勉強しました!
解決していないドミナント7thコードの上では、メロディックマイナーの第4モードであるリディアンb7を使いましょう!
リディアンb7スケールを指した会話です。
このように ペアレントスケールありきで、そこから派生するスケール(音階)を語る場合は「モード」という単語を使うようにしています。
「スケール」について
先生、今日のレッスンは何をやるんですか?
今日はフリジアンスケールの使い方を練習してみましょうか!
このようにスケールをそれ単体で扱う場合には「スケール」という単語を使うようにしています。
基準となる比較対象がない場合です。