【誰でもできる!】現役プロが教える楽曲のKeyの判別方法について
- 楽曲を理論的に分析する
- 学んだ音楽理論を実際の演奏で使う
- 知らない曲でも即興で合わせられる
このようなことができるようになるためには「楽曲のキーを判断する」という技術が真っ先に必要になります。
Keyが分かればダイアトニックコードが分かる
↓
ダイアトニックコードが分かれば使える音が分かる
↓
使える音が分かれば自由に弾ける
という流れが完成します。
慣れると、どんな楽曲を聴いても5秒以内にキーを判断できるようになります。
経験を積めば誰でもできるようになる技術なので、練習して必ず身につけましょう!
楽曲のキーを判断する方法
主旋律(メロディ)からキーを特定する
「曲のキーを判断する」という作業は、言い換えれば「その曲のメロディが何スケールで演奏されているかを特定する」という作業です。
メロディが何メジャースケールで演奏されているかを最速で割り出す競技なのです。
Cメジャースケールで演奏されているならKey=C、
B♭メジャースケールで演奏されているならKey=B♭ということになります!
平行調の概念が分かっていれば、マイナー系のキーでもメジャースケールから特定できます!
例 Dメジャースケール=Bマイナースケール
まずは曲のメロディを楽器で弾いてみましょう!
歌詞のないイントロ部分やインストの楽曲でも、主旋律を演奏します。
スケールを特定するヒント
メジャースケールのなかで半音階のインターバルを持つところは、ドレミファソラシドの中でミとファ、シとドの間だけが半音の関係です!
つまり、半音階の場所をIII度-IV度orVII度-I度と仮定するとKeyを判断しやすくなります。\
指板上のメジャースケールの音の配置を書き出してみました。
R(=ルート)が1度です!
この表の数字の順番に弾いてみるとメジャースケーが演奏できます!
このなかの、赤い部分を拡大してみます。
半音階で音が並んでいる場所を見つけましょう。
右下の音が楽曲のキーの音になります。
まずは楽曲のメロディの中から半音階の部分を敏感に聞き取れるように練習してみましょう!
半音の部分さえ見つけることができれば、スケールの特定は一瞬です!
メジャーダイアトニックから派生した7つのモードスケール(イドフリミエロ)の形がわかる人は「今自分はリディアンスケールを使ってメロディを弾いているな。じゃあこの曲のKeyは4度下の音だな」という指標に使うこともできます。,
【余談】スケールの音と機能について
スケールの音にはそれぞれ、キャラクターに合わせて
第1音 | トニック(主音) |
第2音 | スーパートニック(上主音) |
第3音 | ミディアント(中音) |
第4音 | サブドミナント(下属音) |
第5音 | ドミナント(属音) |
第6音 | サブミディアント(下中音) |
第7音 | リーディングトーン(導音) |
――という機能と名称が割り振られています。
「この音は絶対ミディアントの響き!」
というように音の機能を聞き分けることができるようになると、より簡単かつ正確にメロディからキーを導き出せるようになります。
「音程を耳コピするのが苦手」という方は、このように音の雰囲気・響きから音頭を判断する方法もあります。
諦めないで練習してみましょう!
コード進行からキーを判断する
- IV-V-IIIm-VIm
- VIm-IV-V-I△7
- I△7-VIm7-IIm7-V7
- VIm-V-IV-IIIm
- I△7-VIIø7-VIm7-V7-IV△7-IIIm7-IIm7-V7
- IV△7-III7-VIm7-I7
などなど、楽曲というのは基本的に「お決まりのコード進行パターン」で構成されています。
コード進行を読み取るのが得意な方は、指板上の運指やダイアトニックコードから曲のキーを判断することができます。
例えば「4536進行」なら、スタート位置のすぐ隣にくるのが曲のキーの音になります。
放課後ティータイムのDon’t say “lazy”は、この進行の代表格!
「6415進行」であれば、スタート地点がマイナーキーのコード。
その平行調にあたる3番目の位置がメジャーキーのコードになります。
[ALEXANDROS]のアルペジオのコード進行だ!
実際に瞬時にキーを判断するような場面では、この技術を使ってコード進行からキーを導き出す場合が圧倒的に多いです!
コード進行の知識を身につけたい方は、ぜひBASS NOTEのオンラインコミュニティ「Minerva」へ!
ダイアトニックコードからキーを判断する
コード譜が入手できる場合には、登場するコードからキーをある程度予測することができます。
メジャーキーのダイアトニックコードを見てみると
- ◯7の形はV度だけ
- ◯ø7の形はVII度だけ
- ◯△7の形はI度とIV度だけ
という特徴があります。
例えば、この進行を見てみましょう。
- ◯7のコードはV度のコードである可能性が高い。
…GがV度にくるスケールはCメジャースケール。 - ◯ø7のコードはVII度のコードである可能性が高い。
…BがVII度にくるスケールはやっぱりCメジャースケール。 - ◯△7のコードはI度とIV度である可能性が高い。
…CをI度、FをIV度と仮定するとCメジャースケールのダイアトニックと完全に一致。
以上のことから、この楽曲はKey=Cであると考えられる。
という具合に、ダイアトニックコードの特徴とメジャースケールの音頭を照らし合わせてキーを推測することができます。
もちろん、セカンダリードミナントなどノンダイアトニックコードが挿入されている可能性も十二分にあり得ます。
あくまでヒントのひとつとして活用しましょう!
楽譜の調号からキーを判断する
五線譜やTAB譜が手元にあるなら、キーの判断は簡単です!
楽譜の一番最初に書いてある「調号」を見ると、1発で判断できます。
調号は#シャープや♭フラットの種類と個数で、曲のキーを表しています。
対応表は下記の通り。
#1つ | G , Em | ♭1つ | F , Dm |
#2つ | D , Bm | ♭2つ | B♭ , Gm |
#3つ | A , F#m | ♭3つ | E♭ , Cm |
#4つ | E , C#m | ♭4つ | A♭ , Fm |
#5つ | B , G#m | ♭5つ | D♭ , B♭m |
#6つ | F# , D#m | ♭6つ | G♭ , E♭m |
#7つ | C# , A#m | ♭7つ | C♭ , A♭m |
調号なしはKey=C , Amになります。
音楽の世界にいる限り、調号の知識は一生使うことになります。
覚えておきましょう!
その他のキーを推測する方法
- カッティングギターのトップノートはKeyの1度のコードトーン(の場合が多い)
- パッド(シンセ系)の最低音はKeyの1度or5度の音(の場合が多い)
- メインテーマに入る前にペダルされてるベースの音はダイアトニックの5度の音(の場合が多い)
- Bメロの終わりはドミナント(5度)の音
- 「このアーティストの曲はだいたいこのKey」
- 「この楽器編成のときはこのKeyが多い」
などなど、楽曲の中にはキーを判断するヒントになる音が散りばめられています。
たくさん練習して、楽曲のキーを特定するためのヒントを見逃さないようにしましょう!
では、より詳しく実演も交えながら解説できます!
ぜひご検討ください!
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