コードに関する知識を覚えました。
いろんなスケールを覚えました。
ダイアトニックコードに対応するモードも覚えました。
そんな勉強熱心な方からされる質問No.1がこちら。
「使えるスケールはわかっているのに、全然アドリブができるようにならないです」
このような悩みを抱えている方の多くは、
「Key=Cの曲のDm7の上ではドリアンスケールが使えるよ!」
「IV△7に対応しているのはリディアンスケールだよ!」
こんな覚え方をしてしまっていませんか。
その結果、スケール内の音を一生懸命使うだけの演奏になってしまっていませんか。
もし当たっているなら、そもそもの勉強の手順が間違っている証拠です。
これは「正しいアドリブ」の教え方を知らない人たちが世に広めてしまった間違った勉強方法なんです。
この程度の知識なら、法則さえ覚えてしまえば誰でも意気揚々と語れてしまいます。
言い方は乱暴ですが、こんなものは上辺だけの薄っぺらな知識です。
アドリブを習得するためには「対アドリブ用の正しい練習方法」で練習を積まないと絶対に弾けるようにはなりません。
「数をこなせばアドリブできるようになるよ!」みたいな根性論では絶対に上達しません。
この記事では、本当に有効な正しいアドリブの練習方法についてお話しします。
僕は音楽理論大好きマンですが、これだけは断言します!
いくら音楽理論の勉強をしたって、演奏は絶対に上手くはなりません!
理論を勉強するのは悪いことではありません!
むしろ強力な武器になります!
ただ、その勉強方法と使い方が間違っているんです。
アドリブが弾けない理由について
アドリブに対する勘違い
まずはマインドのお話から。
これはアドリブができなくて悩んでいる多くの方が勘違いしていることなんですけれども。
アドリブ = その場でゼロからフレーズを生み出す ――ということではない!
え、そうなんですか!?
アドリブという響きから
- 即興で作曲!
- 出たとこ勝負!
- 仲間と対話するように!
――というようなイメージを持たれがちなのですが、この解釈が大多数の人のアドリブの上達を阻害しています。
そもそもad libはラテン語で「自由に」という意味の言葉で、日本で普及している「即興で」みたいな意味合いではないんです。
ちなみに英語で即興演奏を指す場合にはimprovisationを使うのが一般的です!
日本でも「インプロ」という言葉を使いますよね!
正しいアドリブとは
正しいアドリブ = 自分のなかに蓄えられた手札を自由に使う決闘《デュエル》
アドリブとは、いわば仕込みプレイです。
仕込み!?
そうです、仕込みです!
事前にしっかりデッキ(山札)を組んでからデュエルに挑む、というのが正しい練習過程になります!
咄嗟のアドリブプレイでは、熟練のミュージシャンでもない限り事前に練習を積んで用意したフレーズしか出てきません。
インプットと仕込みが足りないうちは、いくら練習してもアドリブは上達しないのです。
3つの要素を習得する必要がある
- コードやスケールの理論を勉強しただけじゃアドリブは弾けないよ!
- アドリブって仕込みプレイなんだよ!フレーズのインプットが必要なんだよ!
というお話に関連して、もうひとつ。
アドリブの演奏を音楽の「対話」と喩えるなら、スケールやコードの知識は英会話でいうところのアルファベット26文字に相当するような基本の部分でしかないんです。
アルファベット26文字の読み書きを学んだところで
はい!それじゃあさっそく英会話を楽しんでみましょう!
なんて言われても
Excuse me.
Is the tip included?
え、は、ハイ
――このような事態になってしまうと思います。
文法や単語の知識がないと、アルファベット26文字の知識だけでは英会話なんてできるわけがないんです。
アドリブの演奏では、この単語や文法にあたる部分が
- フレーズ
- リズム
- ダイナミクス
という3要素になります。
この3点を勉強・練習して習得しないと、どんなにスケールを勉強してもアドリブ演奏はできるようになりません!
冷静に考えてみたら、どの音からどんなフレーズをどんなリズムで弾いたらいいのか 正解が分かりませんよね。
この部分をすっ飛ばした解説が世の中には多すぎるんです…!
即興演奏ができない人に試してほしい練習方法
1.音数を減らして符割で勝負
例えば、こんな感じのコード進行があったとします。
この曲を一音だけで演奏できますか。
こんな感じ!
このコード進行のKeyがFなので、Fの音のみで演奏しています。
え、難しくないですかコレ…。
難しいと思います。
これが心地よく弾けないのは「演奏したいジャンルに適したリズムを知らないから」なんです。
この場合のリズムとは
- 音符の長さ
- 休符の入れ方
- 音を発音するタイミング
などを指します。
上手なアドリブができる人の頭の中には「符割のボキャブラリー」がたくさんストックされています。
1音ですら満足に操れないのに、スケールの7音を取り扱おうだなんておこがましいと思わんかね!
2.慣れてきたら1音ずつ
符割のボキャブラリーをたくさん蓄えて、まずは1音で演奏できるようになってから1音ずつスケール内の音を追加していきます。
この工程をすっ飛ばしてアドリブに挑戦しても、絶対に弾けるようにはなりません!
3.ここで音楽理論の出番
コードトーンやスケール、先人たちのフレーズの知識を投入するのは、上記の縛り演奏ができるようになって演奏に欲が出てきてからです。
- 演奏したいフレーズがあるので、仕組みを分析して使えるポイントを導き出す
- さらに音を追加したいので、演奏してもいい音を導き出す
このような視点で知識を使います。
この段階まで来て、初めて音楽理論が役に立つのです。
音楽の世界には
アドリブの上手さ = フレーズをコピーした数
という法則があります。
もっと厳密に言うなら
アドリブの上手さ = コピーしたフレーズを分析した数
ですね。
アドリブの上手さ = 音楽理論を勉強した数――ではないので、注意!
前半にもお話ししましたが、アドリブの演奏というのは「仕込みプレイ」が基本です。
コピーすればするほど上手くなります。
たくさんコピーして、たくさん研究して、自分だけのデッキを作り上げましょう!
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アドリブ演奏に興味がある方、ぜひ遊びにきてください!
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