II-V-I(ツー・ファイブ・ワン)とは
解決先をI度として、II度→V度→I度の順に構成されたコード進行のことを「II-V-I(ツー・ファイブ・ワン)」と言います。
Pops, Rock, Fank, Blues, R&B, Bossa Nova。
アニソン、演歌からデスメタルまで。
ありとあらゆるジャンルで頻繁に登場するコード進行です。
その登場頻度から、音楽の世界でもっとも重要ともいえるコードの流れのひとつになります。
とくにJazzの世界ではII-V-Iは最重要!
Jazzのスタンダード曲は「II-V-I」の連続で成り立っています!
II-V-Iの特徴について
4度進行の連続
- II度→V度は4度進行
- V度→I度も4度進行
II-V-Iは4度進行の連続で成り立っています。
4度進行は別名「強進行」と呼ばれ、聞き手に「絶対的な定番感」や「落ち着ける安定感」を与えます。
ベースの音を単音で抜き出しても、Iに向かっていく様子がはっきりと感じ取れると思います。
この安定したコード進行が、Jazz特有の濁ったコードの響きを支えています!
SD→D→T
コードの機能(ファンクション)の視点からも分析してみましょう。
II-V-Iの各コードの機能を見てみると
サブドミナント(代理)→ドミナント→トニック
という、まさに音楽のお手本のような進行で成り立っています。
この音楽の縮図のような構成のおかげで、音楽理論の解説サンプルとして引用されることがとっても多い進行です。
このBASS NOTEにも、II-V-Iを題材にしている解説記事がたくさんあります。
II-V-Iは音楽を勉強するうえでも必ず知っておきたいコード進行です!
II-V-Iの正体は、大元を辿れば「IV-V-I」という主要3和音で構成されたコード進行になります。
IV度を代理コードであるII度に置き換えることで4度進行の連鎖を生んで、より強い「解決感」を生んだコード進行に仕上がっているんですね!
ドミナントモーション
II-V-IのV→Iの部分は「ドミナントモーション」の動きになっています。
まさに美しすぎるコード進行と言えます!
II-V-Iのバリエーション
II-V-Iのスパンについて
1小節1コードの場合もあれば、このように短いスパンでII-V-Iが進行する場合もあります。
見逃さないようにしましょう!
マイナーのII-V-Iについて
「マイナーのII-V-I」と呼ばれるコード進行があることも知ってきましょう。
IIø7→V7→Im
という進行で成り立ちます。
こちらも頻繁に登場するので、合わせて覚えておきましょう!
マイナーダイアトニックのII度→V度→I度と進行するII-V-Iです!
楽曲のなかに「◯ø7」というコードが出てきたら、8割以上はマイナーII-V-I開始の合図!
【中級者向け】II-V-Iの応用について
このようなコード進行表を渡されたら、僕なら「はいはーい、ただのII-V-Iですね!了解ー!」と頭の中で整理します。
この複雑なコード進行。
セカンダリードミナントや裏コードなどの音楽理論で複雑に掻き回されていますが、その芯にあるのは何の変哲もないただのII-V-Iの進行です。
II-V-Iは、アレンジャーの腕ひとつでどこまでも複雑に発展していきます。
逆に言うと、この世に存在する楽曲は すべてII-V-Iから派生して作られていると言っても過言ではないでしょう。
音楽理論をどんどんこじつけてくと、ほとんどの進行は最終的にただのII-V-Iへと帰化させることができます!
II-V-Iを探し出せるようになろう
ジャズを弾いてみたい!
アドリブができるようになりたい!
――という方は『楽曲中のII-V-Iのポイントを見つける練習』を積極的にやってみてください!
II-V-Iこそがジャズらしさであり、II-V-Iのポイントは「ジャズらしいフレーズ(= オルタードフレーズ)」を打ち込める絶好の機会です。
II-V-Iを制す者がJazzを制す!
4度進行を意識できるようになりましょう!
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コード進行の分析の練習をたくさんやってみましょう!
II-V-Iに対する反射速度が上昇します!