例えば、Key=A♭について話すとき。
「エーフラットメジャーセブンス、ディーフラットマイナーセブンス、ビーフラットマイナーセブンス、イーフラットセブンス…」
――なんていちいち呼ぶのは面倒臭いじゃないですか。
音度の概念を理解すると、
「I、VI、II、V」
このように呼ぶことができるようになります。
なんて簡単!
ベースを演奏するうえで必須になる知識なので、この記事で必ず習得するようにしましょう!
音楽の「音度(おんど)」「度数(どすう)」とは
度数とは、音程の高さを数字であらわす数え方のことを指します。
「(メジャースケール換算で)基準の音から何番目の音?」という考え方で数えます。
英語ではdegree(ディグリー)と言います!
メジャーの音度について
例えば、こちらのCメジャースケール。
スケールの音の順番に番号を振ってみました。
これが基本的な度数の数え方になります。
「基準の音から数えて◯番目」というのが、度数の数え方です。
このときに大切なポイントをひとつだけ。
最初の音が1度です。
ドレミのドが1度です。
基準にしたい音が1度です。
これだけは絶対に間違えないでください。
これを間違って覚えたら破滅します。大惨事です。
最初の音が1度です。
Cメジャーにおいて「3度」と言われたらEのこと。
「5度」と言われたらGのこと。
逆もしかり。
Aのことを指したいなら「6度」、
Bのことを指したいなら「7度」と呼びます。
「3度 = ルート(この例の場合はC)から数えて3番目の音 = E」という解釈になります!
高いド(オクターブ上のルート)について。
基本的には7度の次は1度に戻ります!
「ド=最初の音=1度」だったので、何度ドが出てきても「1度」と呼ぶことになります!
「8度」「上の1度」なんて呼ぶ場合もあるので、臨機応変に対応しましょう!
マイナーの音度について
もうひとつ、例としてAマイナースケールをあげてみます。
マイナー系だと3と6と7番目がフラットしてるんですよね。
この場合のCは「マイナーの3度」や「♭3度」、
同じようにGは「マイナー7度」や「♭7度」と呼びます。
「マイナー調の話をしている」という共通認識があれば、「3度」「7度」でも普通に伝わります!
テンションの度数について
ジャズやフュージョンなど、テンションを重視するジャンルの音楽に慣れてくると
- 2度 → 9度
- 4度 → 11度
- 6度 → 13度
と呼ぶようになってきます。
その理由は、2オクターブ幅で音度を振ったときの数字です。
コードトーンを重ねていくと、2度の音は9度、4度は11度、6度は13度の音と同じになり、15度で1度の音に戻ります。
この辺りは後々必要になった段階で改めて勉強すればOKです!
僕は頭の中では常に1,9,3,11,5,13,7で考えています!
ダイアトニックコードと音度について
スケールの単音だけでなく、曲で使用されるコードも同じように度数で表すことができます。
この場合は楽曲のKey の音を1度として、ダイアトニックコードで数えます。
例えば、超定番のII-V-I(ツー・ファイブ・ワン)と呼ばれるコード進行。
曲のKeyがB♭の場合、II-V-Iは「Cm7-F7-B♭△7」というコード進行を表しているということになります。
5度上の音=4度下の音
最後に、少しだけ面白い音度のマジックをひとつだけ紹介しておきます。
これを知らないと勉強中に混乱するんです…!
この例の場合、Cから見たGは「5度上の音」になります。
12345
CDEFG
ドレミファソ
オクターブ下――つまり低いGの音度を数えてみると、なんとGはCの4度下の音になるんです。
1234
CBAG
ドシラソ
4番目の音になっちゃいました。
音楽理論の世界では、数える方向によって度数が変わってしまいます。
どこかで直面したときのために、なんとなく覚えておきましょう!
基本的に度数は上行で数えるので、この場合は「下の5度」と呼ぶ機会のほうが多いと思います!
度数は基準音から数えます
大切なことなのでもう一度。
最初の音が1度です。
ドレミのドが1度です。
基準にしたい音が1度です。
ディグリーネームの概念は、生涯使い続ける知識です。
しっかり覚えて、上手に使いこなしましょう!