ベーシストにとってコードトーンの勉強が大切な理由について

……と教える人は多いけど、どうしてコードトーンの勉強が重要なのかを説明している人は全然居ないですよね。

BASS NOTEの基本は霹靂一閃。
本質的な根っこの部分から解き明かしていきます。

なぜコードトーンが重要なのか。
どうしてコードトーンの勉強が必要なのか。
今回の記事では、これを解説します。

コードトーンとは

一瞬だけおさらいです。

コード(和音)を構成する音のことを、コードトーン(和音の構成音)と呼びます。

例えば「C△7のコードトーンは？」という問いには「ド, ミ, ソ, シ(C, E, G, B)」と答えるのが正解となります。

コードトーンの勉強が大切な理由について

細かい説明を省いて完結に結論だけまとめるなら
「コードトーンは音楽の要(かなめ)であるから」
という一行でまとめることができます。

例えば。
少し勉強してから楽曲を分析(アナライズ)してみると、世の中に出回っているほぼ全ての音楽がコードトーンを軸に構成されていることに気付けると思います。

メロディも、コードも、スケールも、音楽理論も。
コードトーンを勉強すると、そのすべての全貌が見えるようになります。

――これではあまりに大雑把すぎるので、細かく解説します。

ディグリーに強くなる

コードトーンを学ぶと、ディグリー(音度)の概念を最速で理解できるようになります。

とくにジャズの世界では、勉強するときも演奏するときも常にディグリー換算で音を解釈して進めていくことになります。
ディグリーの理解は必要不可欠な要素です。

コードトーン(Root, 3rd, 5th, 7th)の仕組みを学ぶ過程で、音の度数換算に強くなることができます。

指板の可視化が捗る

コードトーンを身につけると、指板の可視化が捗ります。

ルートを含む全12音を丸暗記しなくても、コードトーンの前後関係ですべての音を覚えることができます。

我々プロのベーシストは「今弾いてもいい音」を指板上で常に把握しながら演奏しています。
その指標になっているのがルートを軸にしたコードトーンの位置関係です。

スケールに強くなる

コードトーンを理解できると、スケールを丸暗記する必要がなくなります。

スケールは、コードトーン+テンションノートという数式で構築されています。
スケールを覚えなくてもコードの借用元と構成音を考えるだけでスケールが導き出せるようになります！

ベースラインを構築できるようになる

自分でベースラインを作るときにも、コードトーンの知識は非常に役に立ちます。
何故なら、ベースラインはコードトーンを軸に構成されるのが基本だからです。

ベースという楽器の最重要な役割のひとつに「コードプログレッションを提示する」というものがあります。

コードトーンは、単音でコードを表現できる最有力の方法です。
コードトーンを軸にベースラインを作れば、かんたんに美しいベースラインを組み上げることができます。

音感が鍛えられる

音感に自信のない方に朗報です。
コードトーンに触れることで、音感も鍛えられます。

とくに、3rdと7thの音は「ガイドトーン」と呼ばれ、そのコードのクオリティ(キャラクター)を決定する重要な音価になります。

コードトーンに敏感になると、音程やコードのファンクションを正確に判断できるようになります。

弾いてはいけない男を避けることができる

演奏面においても、コードトーンは最強です。

コードトーンは、演奏において「どんな状況でも100%正しい音」です。
その小節のコードを構成している音を鳴らすのですから、間違いなワケがありません。

つまり、コードトーンとは鳴らしても絶対に怒られない音なのです。
私の仕事のモットーは「怒られない演奏をする」なので、コードトーンis正義です。