【現役プロが語る】ミュージシャンとして生き延びるために大切なこと

プロミュージシャンとして生き延びるために

私は20歳で専門学校を卒業して以来、今日までプロミュージシャンとして音楽を仕事にして生きてきました。

ここ数年間で、私の弟子も立派なプロベーシストになりました。

今、音楽を仕事にしている方。
将来、プロのミュージシャンを目指している方。

そんな方に向けて、「プロとして生き延びるために大切なこと」を書いてみようと思います。

高橋 和明
かずあき先生
独立12年目のフリーランスのプロベーシスト。
専門学校卒業後、楽器店の講師経験を経て独立。
現在はジャズプレイヤー、作曲家、講師として活動。
プロの質問し放題のBASS NOTEオンラインコミュニティ「Minerva」を運営中。
ウマ娘ちゃん箱推し。

プロミュージシャンとしいて生き延びるために大切なこと

プロとして生き延びるために必要なこと。
なんだと思いますか。

熟練の演奏技術でしょうか?
高度な音楽理論の知識でしょうか?

違います。
そんなの、必要最低限のレベルにさえ達していれば生きていけます。

高級な機材でしょうか。
それをお迎えするための資金でしょうか。

違います。
私は5,000円のベースと3,000円のシールドだけで年間100本を超えるステージに立っています。
機材なんて必要ありません。

「プライドをコントロールする力」について

プロとして生き延びるために必要なこと。

その答えは「余計なプライドをコントロールする力」だと思っています。

プライド( =Pride)。
自尊心、自己尊重、威厳みたいな意味合いの言葉ですね。

私を含め、プロミュージシャンというのはプライドの高い生き物です。
それ相応の強いプライドがあるからこそ、ミュージシャンなんて職業を続けていられるんです。

でも、プライドって時として大きな弊害になるんです。

プライドが高いと、瞬発力が低くなります。
プライドが高いと、学びの機会を失います。
プライドが高いと、怒りの沸点が低くなります。
プライドが高いと、人間関係を極端に悪化させます。

プライドは大切です。
プライドはアイデンティティですから。
「何がなんでも譲れないものを持っている」って、とても格好良いことです。

でも、強固なプライドは人生の足を引っ張ります。
浅い人間になってしまいます。

「売れてるバンドマンはめちゃくちゃ腰が低い」という話を、一度は聴いたことがあると思います!

余計なプライドをコントロールできているからこそ、その腰の低さが体現されているんですね!

かずあき先生
かずあき先生

プライドとの折り合い

私自身も、いろいろありました。
今までの音楽人生のなかで、何度も自分の美学に反することを要求されてきました。

どれだけ控えめに表現しても、人間として難ありの方と組むことになったり。
ステージ衣装として、まったく自分の好みじゃない服装・髪型を指定されたり。
先方さんからの要望で、ダッサいド素人みたいなベースラインを弾かされたり。

思い返すと「あの時、よく仕事を蹴らなかったな」と自分を褒めたくなるような画面に何度も直面してきました。

これ。
もしプライドが邪魔をして、お仕事を蹴っていたらどうなっていたでしょう。

振り返ってみると、大口のクライアントさんと繋がる機会を失っていました。

ゆい
ゆい

先生って何気に苦労してきたんですね…。

あのとき、プライドをへし折って正解でした…!

かずあき先生
かずあき先生

無駄なプライドを捨てる方法

さて。
人生を邪魔するような自分の無駄なプライドをコントロールするためには、具体的にはどうしたらいいんでしょう。

リフレーミング( =Reframing)。
これに尽きるのではないでしょうか。

この言葉に初めて触れる方もいるでしょう。

リフレーミングについて

Reframing

心理学用語で「物事を違う視点(フレーム)から捉え直す」という技術を指す言葉です。

人間は、誰しも自分の視点(フレーム)から世界を観測しています。
その視点をズラして違う視点から見直す( =Re)と、思考のコントロールがかんたんにできるよ!というやつです。

例えば。
バンドのメンバーが、他のベーシストを募集していたとします。

user-icon

(既にあなたが居るのに)
ベーシスト募集中!!

プライドが高いと、この現実はすごく傷つきますよね。

では、フレームを変えてみましょう。

自分の代打を用意された。悲しい。自分は信頼されていない。

代打がいてくれたら緊急時に自分は休める!ありがたい配慮!

どうですか。

今後の活動がすごく気楽になりますよね。
傷つく現実がポジティブ要因に早変わりです。

これがリフレーミングです。

自分のプライドが暴走しそうになったら、まずは物事の見方を変えてみましょう!

プライドって自分の内側にあるものじゃないですか。
自分の外側にあるものをコントロールするのってほぼ不可能なんですけど、自分の内側にあるものなら容易に捻じ曲げることができるんです。

その手法として、リフレーミングを活用してみてください!

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