コード進行のアナライズをしていると、かなりの高頻度で登場するコード「#Vdim」。
これ、実はなんの変哲もない「あるあるコード」の回転系なんです。
「アウト・オブ・トライアングル」や「BLOW my GALE」など、僕の大好きなウマ娘の楽曲にもたくさん登場するおしゃれコードです!
#Vdimコードの正体について
楽曲の分析をしていると、かなりの頻度で登場する「#Vdim」(シャープファイブディミニッシュ・5度シャープディミニッシュ)というエモい響きが特徴のコード。
このコードの正体は「III7(♭9)」という、なんの変哲もないVIm7に向かうセカンダリードミナントになります。
「♭9th」は、解決先への進行感を強めるオルタードテンション!
アレンジとして、とってもよく使われる魔法のテンションノートです!
#Vdimコードの成り立ちについて
大元のIII7(♭9)コードのコードトーンについて
こちらは、大元になっているIII3――Key=C想定でいうとE7(♭9)のコードトーンになります。
III7(♭9)…めっちゃよく見るやつ!
III7(♭9)とIVdim7の関係性について
このままEの♭9thにあたるFをRootとして捉えると、Fdimコードの構成音が完成します。
「◯7(ドミナントセブンス)」コードの代理として「◯dim(ディミニッシュ)」コードが使われる理由がコレです!
元のルート以外の構成音がすべて同じになるんです!
楽曲中に登場するdimコードの60%以上は「◯7(♭9)」というコードの代理コードとして登場します。
覚えておきましょう!
ディミニッシュコードの特徴と回転系のコードについて
dimコードの特徴として「構成音中のどの音をルートとして捉えても、dimコードが完成する」というものがあります。
ディミニッシュコードは「音を短3度ずつ重ねる」というルールで成り立っています。
コードトーンが等間隔のインターバルで構成されているので、どれだけ音を入れ替えても等間隔のままディミニッシュコードが完成するんです。
今回の場合だと、
- Fdim7
- G#dim7
- Bdim7
- Ddim7
これらのコードはすべて同じ音で構成されたコードということになります!
この性質を利用することで、Key=Cから見た#Vo7 ――つまりG#dim7コードが完成します。
これが楽曲の分析中にたくさん登場する#Vdimコードの正体です!
V7(b9)について
Aø7-D7(b9)-Gm7
マイナーのII-V-I進行のなかに頻繁に登場するV7(b9)コード。
ここまで解説した知識を使うと、このコードもV#o7と同義であることが分かります。
dim7コード=その半音下のX7(b9)コード!
- Fdim7 = E7(b9)
- G#dim7 = G7(b9)
- Bdim7 = Bb7(b9)
- Ddim7 = Db7(b9))
これ等のコードはすべて相互変換が可能なコードということになります!
Fdim7をDb7(b9)に置き換えたり、
Bb7(b9)をE7(b9)に置き換えてもいいんですね!
納得!
パッシングディミニッシュについて
III7(この場合はE7)に飛ばずに#Vo7(G#dim7)を経由することで、ベースラインがクロマチックで滑らかに移動する状態を作り出すことができます。
このように、経過音のように使用されるdimコードのことを「パッシング・ディミニッシュ」と呼びます。
めちゃくちゃ使用される技術なので、合わせて覚えておきましょう!