リズムのポケットとは
「リズムのポケットって何ですか?」
一言でいうと「音が撃ち込まれると気持ち良いタイミング」のことを指します!
クオンタイズされた音楽の世界では、あまり馴染みのない言葉なのかなと思います。
ジャズやブルースなどのセッションの場では、よく使われる言葉です。
- 「ポケットがない演奏」
- 「ポケットにハマっている」
というような使い方をします。
プレイヤーはポケットのなかで演奏することが重要
リズムの世界には
“You stay in the Pocket”
“Playing in the Pocket”
という有名な教えがあります。
上手いミュージシャン = ポケットの中で演奏し続けることができるプレイヤー
ということを教えてくれる言葉です。
ポケットの判断の仕方
ジャズの聖書『The Jazz Theory Book』のなかでは、ポケット=ベースとドラムがロックイン(=locking in)している状態であると定義しています。
ロックインとは、ドラムとベースがリズミカルに同期している状態を表す言葉です。
ん…んんー…???
ね。そうなりますよね。
意味わかんないですよね。
“ポケット”はロジカルに説明できるモノではないので、僕の言葉で説明します!
現場育ちの僕の肌感だと、ポケットはグルーヴのなかに自然発生するものなので理屈で算出できるものではありません。
観客のボルテージやバンドマン同士のテンションひとつでも、ポケットの位置は変わってきます。
一番分かりやすいポケットの感じ方を解説します。
ライブ会場で生の音楽を聴いたときに、
- 足を踏んだり
- 手拍子したり
- 首を動かしたり
身体を動かしたくなるタイミングがポケットです。
たしかに自分のノリとステージの演奏がシンクロするとテンションあがる!
このように抽象的なモノだからこそ”ポケット”なんていう曖昧な表現がされているんです。
抽象的ではありますが、一度体感すると「あぁ、今ポケットに入ってる」という感覚が明確に分かるはずです!
ベースがポケットで演奏すると、観客の手拍子や身体の揺れなど、会場の空気を完全にコントロールできるようになります!
ポケットで演奏する感覚を掴む練習
- メトロノームを鳴らしながら、自分のなかに絶対的な4カウントを用意しよう!
- それを意識の最下層に固定してみよう!
- その上で符割やアクセントを変えたり、フィルを入れたりしてみよう!
- このとき、固定した4カウントを見逃さないようにしよう!
僕のレッスンでは、
リズム感が良い = 絶対的な4カウントの軸を自分のなかに維持できること
と定義しています。
この4カウントが他の楽器と同期することで、グルーヴを産むためのフレームワークになります。
グルーヴはフィールを産むための軸になり、フィールはポケットの位置を示してくれます。
フィールってなんですか?
曲ごとの「感覚」「雰囲気」のことを指す言葉です!
みなさんのお気に入りの曲にも、1曲ごとに「その曲特有のノリや雰囲気」のようなモノがあると思います。
それがフィールです!
ポケットに音を撃ち込めるベーシストになると、周りの評価もぐんと上がります!
まずは、演奏のなかで「楽しい」「気持ち良い」という感覚を探し出すところから始めてみましょう!
学者さんが”ポケット”について分析した本も出版されています。
ちょっとお高い洋書ですが、読んでみるととっても面白いです!