モーダルインターチェンジって何ですか?
同主調(パラレルキー)からコードを借りてきて部分転調する技術のことをモーダルインターチェンジと言います!
モーダルインターチェンジについて
モーダルインターチェンジ(modal interchange)。
モーダル(modal) = Mode(調)の形容詞
インターチェンジ(interchange) = 置き換える の意味
「曲の調を置き換える」でモーダルインターチェンジです。
「モーダルインターチェンジしている」という文脈で使う動詞です。
- C.Ionian
- C.Dorian
- C.Phrygian
- C.Lydian
- C.Mixolydian
- C.Aeolian
- C.Locrian
同主調(パラレルキー)からコードを借用してモーダルインターチェンジさせます。
| C△7 | F△7 | G7 | C△7 |
↓
| C△7 | Fm7 | G7 | C△7 |
上段はKey=Cのダイアトニックコードで構成された進行です。
下段は同主単調( =C.Aeolian)からFm7を借用することで、2小節目を一時的にkey=Cmに転調させています。
これがモーダルインターチェンジしている状態です。
このとき同主調から借用したコードのことをモーダルインターチェンジコードと呼びます。
補足:ロクリアンからの借用について
モーダルインターチェンジは「完全5度の音程を持つモードからのみ借用できる」=「ロクリアンモードからは原則として借用できない」という説もあります。
BASS NOTEの基盤になっているバークリー音楽大学式の音楽理論ではロクリアンが使用できることになっているので、この記事でもロクリアンを採用しています!
モーダルインターチェンジの関連理論
サブドミナントマイナーやドミナントマイナー、バックドアケーデンスの理論はすべてモーダルインターチェンジの仲間です!
セカンダリードミナントは違うの?
セカンダリードミナントも部分転調の一種ですが、こちらは解決先のコードが転調元のトニックになります。
「同主調からコードを借用する」というモーダルインターチェンジの定義から外れるので、分けて考えるのが一般的です。
モーダルインターチェンジの例
Key=E
E B G#7/C
Stayしがちなイメージだらけの
C#m G#m
頼り ない翼でも
A G#m C#m
きっと 飛べるさ
C D E
On My Love
Butter-Fly – 和田光司のサビの最後のコード。
Key=EにおけるCとDは、それぞれbVIとbVIIというノンダイアトニックコードです。
bVIとbVIIは、同主単調―つまりKey=Emからの借用和音と解釈できるモーダルインターチェンジコードです。
bVI-bVII-I
このコード進行は「マリオ進行」や「ピカルディ終止」と呼ばれる超定番進行です!
モーダルインターチェンジの代名詞として覚えておきましょう!