先日、お仕事でご一緒した仲良しのギタリストさんから
お前は鬼塚慶次みたいなベース弾くから好き。
という素敵な言葉をかけていただきました!
嬉しすぎる…!!
まさに僕がベーシストとして追求し続けている演奏スタイルを的確に言い当てていただいて、とっても嬉しかったです!
鬼塚慶次のようなベーシスト
鬼塚慶次とは
皆さんは知ってますか、鬼塚慶次(おにづか けいじ)。
漫画「テラフォーマーズ」に登場するボクサーです。
紋華青龍蝦(モンハナシャコ)です。
主人公ではなくて、脇役のひとりなんですけども。
スピンオフの漫画も発売されるほどの人気で、僕も大好きなキャラクターです!
鬼塚慶次のボクシング
鬼塚慶次を一言で表すなら『地味なボクサー』の一言。
ライト級・スーパーフェザー級の2階級で世界チャンピオンという実力なのに、ボクシングファンの間での彼の知名度はほぼゼロという影の薄いボクサーなんです。
どこまでも基本に忠実。
得意技も必殺技もない、ただ基礎を固め上げたファイトスタイル。
すべてが教本通りの完璧なパフォーマンス。
ゆえに華がないので、試合はつまらない。
だからファンからの人気もない。
“金にならない(=おもしろくない)王者”なんです。
ひたすら地味で存在感も皆無。
影が薄くて存在感もなく。
ただひたすら、休まずサボらず迷惑かけず。
ジムのなかでも、いつの間にか現れて、気付いたら帰っている透明人間のような人。
だけど、
誰がみても非の打ちどころがない絶対的な安定感。
基本を貫き通すことの難しさを知っている同業者(ボクサー)からだけ、一目を置かれているような存在。
これが鬼塚慶次のボクシングです!
ちなみに彼の学生時代の最終成績は
国語・数学・理科・社会科・共通語(英語)『3』
技術・家庭科『3』
音楽・美術『3』
体育『3』
なんてカッコいい成績でしょう!
参考: テラフォーマーズ 6巻
BASS NOTE筆者が目指すのは鬼塚慶次のようなベーシスト
僕は地味なベーシストです。
決して演奏が華やかなワケではないし、SNS上でバズれるようなド派手なテクニックもほとんど持ち合わせていません。
知名度もないので、大きなステージで人気アーティストさんのバックバンドとして演奏しても、僕の存在に気づく人は200人に1人もいれば御の字です。
でも、僕にはクライアントが求める演奏ができます。
最低限、音楽を生業にして専業で生活をしていけるくらいの知識と技術は持っています。
和明さんの大まかなお仕事の流れ
- 組織の人間から呼び出されて
- 指定の場所に集合して
- その場で即興演奏して
- すぐ解散!
ざっくりとですが、これが普段の僕のお仕事の形態です。
僕が演奏するのは、主に学校や福祉施設、大型のショッピングモール、カフェやバーなど。
演奏する曲は事前に渡される場合もあれば、現地で渡されることもあります。
リハーサル0回のぶっつけ本番も普通にあります。
このような環境で僕がベーシストとして生き残っていくために必要だったのは、派手なテクニックではありませんでした。
もっと根底にある安定感や適応力。
現場では、このような基本技術が重宝されたんです。
ベーシストとして家賃と光熱費を払ってご飯を食べていくために、僕は基本に特化して磨きをかけました。
とにかく基本を大切に。
どんな現場にいってどんな仕事を渡されても、絶対に怒られない演奏ができて、胸を張って報酬を受け取れる。
それが僕の仕事のスタイルです。
そんな基礎を極めるスタイルを貫き通しているうちに、大会のベーシスト部門で最優秀賞を受賞することができました!
ほんとに鬼塚慶次だ。
どんな場面でもベーシストとして最低限必要なことが必ずできるプレイヤー。
僕自身もそのような存在でありたいし、僕の生徒さんにもそんなスキルを身に着けてほしいと思っています。
伝説のベーシストRay Brownの言葉
伝説のベーシスト、Ray Brown先輩は上記の動画の中で
「ベースという楽器に最も重要なことは、派手なソロを弾くことでもテクニカルな速弾きすることでもない。 いい音を出すことだ。」
と仰っています。
さらに続けて、
「派手なベースの演奏なんてフロントマンは望んでいない。誰も自己主張の激しいベースをバックに演奏なんてしたくない。 彼らがベーシストに望んでいることは、絶対的な安定感とグルーヴだ。彼らはそれが欲しくてお金を払って依頼してくる。」
という旨のお話をしています。
基礎力なんです。
結局基礎力なんです。
我々ベーシストが、ベーシストとしてあるべき姿に近づくために必要なものは、基礎力なんです。
絶対的な安定感。
会場を震わせるグルーヴ。
柔軟で臨機応変な適応力。
その場を支配する説得力。
ベーシストとして本当に必要な基礎力を次の世代に伝えるのが、僕の役目だと思っています。