BASS NOTEが送る「ミュージシャンのための確定申告講座」。
「ミュージシャンのための確定申告講座」
今回は「仕訳のときの勘定科目の選び方」というテーマで解説していきます。
個人事業主のなにが一番面倒臭いかっていうと、この仕訳(帳簿付け)の作業です。
プロのミュージシャンとして音楽で稼ぐようになったときに、真っ先につまづくポイントが記帳のときの勘定科目についてだと思います。
僕自身もベース講師として独立したときに、仕訳の勉強にかなりの時間を費やしました。
確定申告の仕訳について
そもそも仕訳とは
仕訳ってなんですか?
個人事業主は年明けの確定申告に備えて、経費は発生するたびに「勘定科目(=経費のカテゴリ)」を割り振りながらお金の動きを登録していく必要があるんです。
- CDやステージの売り上げは「売上高」
- ベースの弦やピックは「消耗品費」
- スタジオまでの電車代は「交通費」
こんな感じで事業の収支をカテゴリごとに振り分けていく作業のことを「仕訳」と呼びます!
どうして仕訳が必要なの?
さあ、確定申告してや!
はい!
“売上高”として◯◯◯円稼ぎました!
でも“機材代(経費)“として△△△円使いました!
なので去年の所得の合計は□□□円です!
よし、問題なし!
じゃあ先生の税金は×××円な!
かしこまり!!
簡単に言うと
- 「どこでいくら稼ぎました」
- 「どこでいくら使いました」
ということを国に提出して、納税額を算出してもらうのが「確定申告」でして。
この「いくら稼いだ」「いくら使った」の証拠を残したり、分かりやすく整理するために必要なのが”仕訳”なのです。
納税は国民の義務ですからね…!
勘定科目を使って振り分けておくことで、確定申告を効率化します!
勘定科目の事前知識
仕訳に明確な決まりはない!
まず、大前提としてひとつ。
勘定科目の振り分け方には、正確な決まりはありません。
法的になにか厳密なルールのようなものが定められているわけではないので、仮に間違って入力しても税務署から怒られるようなことはありません。
- 「最終的な金額が正しく入力できているか」
- 「数年後に見返したときに分かりやすいか」
この2点が重要なのです。
自分で「どういう理由でこの勘定科目を選んだか」をしっかり矛盾なく説明できるのであれば、どんな付け方をしてもOKです!
常識的な科目を選択すること!
かと言って、的外れすぎる科目を選択するのはやめておきましょう。
言い訳ができないので。
例えば。
ベースの弦を「旅費交通費」として処理するのは、常識的に考えておかしいですよね。
「なんとなく正しそうな科目」を選んであげることが大切です!
優柔不断はやめること!
ここで注意点をひとつだけ。
優柔不断な仕訳はやめましょう!
例えば、事業の管理に使うスマホのアプリを購入したとします。
アプリは「通信費」か「消耗品費」で処理するのが一般的なんですけども。
「私はアプリ=消耗品費で処理するぞ!」
と一度決めたら、それ以降の処理は消耗品費で統一するようにしましょう。
「2月に買ったアプリは通信費なのに、3月に買ったアプリは消耗品費」
これでは、あとから確認作業をするときに自分が大変です。
自分のなかで定めたルールからは、外れないように仕訳するようにしましょう!
ミュージシャンがよく使う勘定科目
ミュージシャンがよく使う勘定科目(50音順)
勘定科目 | 用途 |
---|---|
会議費 | 打ち合わせにかかった費用など |
広告宣伝費 | ライブのフライヤー発行代など |
支払手数料 | 銀行振込や支払い分割の手数料など |
修繕費 | 楽器のメンテナンス代など |
消耗品費 | 弦やピック・10万円未満の機材など |
新聞図書費 | 楽譜や教則本など |
事務用品費 | 楽譜の印刷用紙・文房具など |
賃借料 | スタジオやライブハウスのレンタル代など |
旅費交通費 | 巡業・ツアーの遠征にかかった費用など |
ここに補足として補助科目(品目)を独自に追加して処理していきます!
- 消耗品費 (機材代)
- 消耗品費 (弦代)
- 賃借料 (スタジオ代)
みたいな感じでしょうか。
10万円未満の機材は「消耗品費」で処理
10万円未満の機材は「消耗品費」として一律で処理するのが一般的です。
ミキサーやアンプ、エフェクター、楽器なども10万円未満であれば「消耗品」tpそて扱います!
10万円以上の機材は「減価償却費」で処理
10万円以上の機材を購入した場合には「減価償却費」として処理します。
家事按分(かじあんぶん)について
仕事とプライベートの兼用で使っているものがある人は、
- 賃貸の家賃
- 光熱費
- 通信費(携帯電話やインターネット代)
などを家事按分(かじあんぶん)で処理することができます。
家事按分って何ですか?
例えば、在宅で活動しているミュージシャンのインターネット代。
インターネットの使用割合が「仕事30%:プライベート70%」だった場合、契約料金の30%を経費にすることができます。
これが家事按分です。
家事按分で経費にする割合は、家の面積、使用時間、コンセント穴の数や使用電力などから計算します。
どうして電気代の30%を経費にしてるんや?
家のコンセント穴が全部で6ヶ所なんです!
そのうち2ヶ所を事業用の機材に使っているので、約30%に設定しました!
なるほど、問題なし!
あざーす!
「どうしてこの割合なんですか?」と尋ねられたときに、きちんと具体的に答えられる数値に設定しましょう。
世間一般では「30%程度に留めておくのが妥当」と言われています!
50%を超えていると税務署に突っ込まれるかも…!
freeeの「自動で経理」がオススメ!
BASS NOTEオススメのクラウド会計ソフト「freee」なら、一度設定してしまえば仕訳は完全に放置でOKです!
freeeなしで経理なんて、もう絶対ムリ…!
勘定科目をいちいち手入力していた頃には戻りたくないです……。
freeeの自動仕訳について
例えば、毎月の通信費です。
自宅のインターネット回線をBIGLOBEさんで契約していることにしましょう。
「BIGLOBE利用料」という名前の取引(引き落とし)が発生したら、
- 勘定科目: 通信費
- 品目: インターネット代
で処理してね!
このようにfreeeの「自動登録ルール」のなかに登録しておけば、
かずあき先生、お疲れ様です!
月末に「BIGLOBE利用料」として「¥4,500」が発生しています!
[通信費][インターネット代]として処理していいですか?
間違いないです!お願いします!
(確定ボタンをポチッ!)
かしこまりました!
こんな感じで自動的に取引先や勘定科目・品目を割り当てて、取引を処理してくれます!
これがとにかく便利!
いちいち勘定科目を調べ直す必要がなくなります!
頻繁に利用する楽器屋さんやスタジオさんを登録しておくと、めちゃくちゃ捗ります!
時短!効率化!
freeeの管理画面に入れる方は、
取引>自動で経理>自動登録ルールの設定
から編集することができます!
家事按分も、管理画面の確定申告>その他の機能>家事按分から設定しておくことができます!
一度設定しておけば、面倒な計算は必要なしです!
freeeの勘定科目の入力について
手入力で入力することになっても、freeeなら勘定科目の選択も超かんたん!
あらかじめ用意された一覧から「これかな〜?」という項目を選択するだけでOKです!
分かりやすいように、勘定科目名の下に使用例が記載されています!
これがとっても便利!
困ったらfreee
なんか回し者みたいになっちゃってますけど!
「クラウド会計ソフト『freee』に登録しておけば、確定申告で困ることはない!」というのが僕のなかの結論です。
最初に簡単な設定をしておけば、あとは全自動で仕訳を終わらせてくれます!
経理なんて、本来は我々演奏屋さんがやるべき仕事じゃないですからね…!
少しでも手っ取り早く、そして間違いなく確定申告を終わらせたい方には、freeeを全力でオススメします!