今回は「【ミュージシャンのための確定申告講座】仕訳・勘定科目変」の補足として
「減価償却(げんかしょうきゃく)」
について説明します。
10万円未満の機材であれば「消耗品費」として簡単に処理できますが、10万円以上の備品は「減価償却」という特別な処理をしないと経費にできません。
聞きなれない単語ですが「楽器1本で10万円オーバー」という事態が当たり前な我々ミュージシャンには必須の知識になります。
楽器の減価償却について
減価償却とは
例えば、100万円のベースを購入した場合。
一括では経費にすることはできないのですが「5年かけて毎年20万円ずつ分割で経費にすることができるよ!」というシステムが”減価償却”の概要になります。
国税庁の耐用年数表で「音響機器の減価償却は5年で計算するように!」と指定されています!
freeeでの減価償却について
BASS NOTEの「ミュージシャンのための確定申告講座」は、freeeの登録・使用を前提として解説しています。
10万円以上の機材は「減価償却費」
Rickenbacker / 4003
¥445,500
例えば、こちらのRickenbackerのベースを購入した場合。
freeeの管理画面から確定申告>その他の機能の順に進み「固定資産台帳」を選択します。
資産の名前 | 機材の名前 |
取得日 / 事業供用開始日 | 買った日 / 使い始めた日 |
取得価格 | 機材の価格 |
勘定科目 | 工具器具備品 |
数量又は面積 | 1(個数) |
償却方法 | 定額法 |
耐用年数 | 5年 |
事業利用割合 | 事業に使用する割合(プライベートと比較して) |
項目を埋めたら「保存」を押して完了です!
freeeなら、これだけ入力すればあとは全自動で処理してくれます!
「freeeヘルプセンター – 【個人】固定資産を登録する(固定資産台帳)」でも詳しく解説されています!
中古品の減価償却について
減価償却は「だいたい◯年くらいでガタがきて価値がなくなるでしょう!」という考え方です。
すでに耐久年数の体力ゲージが削られている中古品の場合には、少しだけ計算方法が変わります。
発売日が5年以上前の品の場合
例えば、ハードオフで中古の機材を購入した場合。
5年以上使われていそうな場合は、耐久年数は2年で計算します。
計算式: 5年×20% = 1年 →2年
●[耐久年数]×20%で算出した計算結果が2年未満のものは、強制的に2年に設定される。
最短で2年まで縮めることができます!
発売日が5年以内の品の場合
例: もとの持ち主が、購入から2年で商品を売却した場合
計算式: {5-2(年)}+{2(年)×20%}
=3年×0.4年=3.4年
●{[耐用年数]-[経過年数]}+{[経過年数]×20%}
●計算結果の小数点以下は切り捨て
この例の場合だと、3年で減価償却することになります。
発売日が直近5年以内の中古品の場合には、こちらの計算方法を採用しましょう!
減価償却できない楽器について
イタリア製の最高級ヴァイオリン「ストラディバリウス」など、希少価値の高い高級楽器は減価償却の対象外となります。
注意しましょう!
「CoCo壱番屋」の創業者の資産管理会社が、ストラディバリウスやグァルネリを減価償却処理しようとして、20億円以上の申告漏れを起こしてしまいました。
確定申告の処理の全般に言えることですが、減価償却のできる・できないの線引きはとっても曖昧です。
心配な方は、お近くの税務署や税理士さんに相談してみることをオススメします!
減価償却に関するオススメ
音楽を仕事にしている人は、裏ではこんな計算ばっかりしながら活動しているんです…!
少しでも日々の経理を自動化するために、BASS NOTEではクラウド会計ソフト「freee」の使用を全力でオススメします!
税理士の栗原邦夫先生(@onkakuacademy)がYouTubeで分かりやすく解説してくださっています!