新しく5弦ベース買ったんですけど、弾きにく過ぎて今すぐ売りたいです……。
人間の適応能力を信じて!
正しい手順で練習すれば、普通に弾けるようになります!
4弦ベースから初めて5弦ベースに持ち替えたときに抱く最初の感想は「何これ弾けない!!」の一言に尽きると思います。
大丈夫です。
弾けるようになります。
少し苦労しましたが、5弦ベースをお迎えしてから5日目には仕事の現場で使えるレベルまで扱えるようになりました。
今回の記事では、僕が5弦ベースの扱いに慣れるために実際に行った短期集中型の基礎練習メニューを備考録として残しておきます。
5弦ベースが弾けない人向けの基礎練習メニュー
4弦ベースから5弦ベースに持ち替えたときに衝突する悩みは、主に次の3点に集約されると思います。
「演奏したい音の位置が分からなくなる」
「鳴らしたい弦を正確に弾けない」
「共振で余計な音が鳴ってしまう」
この3点の悩みを集中的に克服するために、以下の練習を行いました。
- 指板の可視化練習
- 狙った弦をピッキングする練習
- 細かいミュートの練習
- 現状で出来ないことを把握
- 出来ない理由を分析
- 出来ないことを克服
物事が出来るようになるための基本プロセスです!
指板の可視化練習
- 弦1本縛りでコードのルートを追う練習
- 各コードに対するアヴェイラブル・ノート・スケールを丁寧に追う練習
- 5弦開放から1弦24フレットまでを幅広く使って各種スケールを演奏
iReal Proを使って上記のメニューを集中的に練習することで、5弦の指板に慣れることができました。
4弦ベースと5弦ベースはまったく別の楽器です。
「ベース」という名前は付いていますが、ニラとスイセンくらい別物の楽器です。
詳しくは「プロが語る5弦ベースの最大のメリット」の記事で触れているので割愛しますが、4弦と5弦では見える景色がまったく違います。
脳の使い方が変わるんです。
4弦のときの視野では演奏できません。
プライドを捨てて、初心者に戻ったつもりでテンポを落として練習しましょう。
指板の可視化は演奏の基本中の基本です!
誤魔化しは厳禁!
必ず指板上のすべての音の位置を正確に狙えるようになりましょう!
狙った弦をピッキングする練習
- インプロビゼーション(アドリブ)
- オクターブ奏法中心の楽曲の演奏
- ソロベース
5弦ベースに持ち替えたときに苦労するのは
「弦の間隔が狭い」
「狙った弦を弾けない」
――という楽器の扱いに関する問題が大きいでしょう。
楽器の操作面の悩みを克服する方法は「器用な曲をいっぱい弾いて慣れる」というシンプルな方法に尽きます。
過去のレッスンのデータから算出してみると、楽器に触れた時間と上達の速度は明確に比例するこことが分かっています!
弾きましょう。
何はともあれ、弾きましょう。
指板の可視化と同時進行で、複雑な演奏にも挑戦してみましょう。
自分の得意な楽曲の演奏から挑戦すると「自分がどれくらい5弦ベースを扱えているか」の指標になるのでオススメです。
僕個人の練習では、ソロベースの演奏がもっとも有効でした。
複数の弦を常に同時に操作するので、楽器全体の構造を腕に叩き込むのに最適!
それは先生にしか需要がない練習だと思います…。
細かいミュートの練習
5弦ベースはとにかくミュートが大変!!!
共振するんですよ!
音が濁るんですよ!
繰り返しになりますが4弦ベースと5弦ベースはまったく別物の楽器です。
5弦ベースを弾くときには、5弦用の演奏フォームを使用する必要があります。
4弦ベースと同じ感覚で演奏しようとすると、ヘタすぎて心が折れていまいます。
気をつけましょう。
- 右手の親指の位置
- 左手の指板上の指の使い方
- 左手のネック裏の親指の使い方
などなど。
手の使い方をゼロから見直しましょう。
このあたりが分かってきた頃から、劇的に5弦ベースが楽しくなってきます!
丁寧に練習しましょう!
オケを流さずに、楽器の音だけで演奏するのがオススメです。
余弦の共振ノイズに集中して練習しましょう。
4弦から5弦ベースに持ち替えたときの注意点
腱鞘炎
前述の通り、4弦と5弦では演奏フォームが大きく異なります。
演奏フォームが変われば、当然今までとは違う部位に負荷がかかるようになります。
慣れない角度。
慣れない重心。
慣れない力加減。
この「慣れない」の積み重ねが腱鞘炎につながります。
指の故障にはくれぐれも注意すること!
演奏前の念入りなストレッチ、演奏後のアフターケアもお忘れなく!
楽器の扱い方を熟知している僕でさえ、5弦ベースに持ち替えた途端に腱鞘炎が再発しました。
ファイテンのスポーツスリーブのおかげで致命傷で済みました。
「あ、いま力が入りすぎているな!」
「このフォームは腕への負担が大きいな!」
――という違和感を見逃さないように練習しましょう!