アドリブの練習をしているんですけど、なんか素人臭い演奏にしかならないんです…。
このような悩みを抱えている方は、演奏における大切なアプローチの概念が抜けているかもしれません。
より音楽的な演奏をするためには、
- コーダル(chordal) = バーティカル(vertical)
- モーダル(modal) = ホリゾンタル(horizontal)
この2つの考え方が超重要になってきます。
コーダルとモーダルについて
コーダルとモーダル。
それぞれ「コード重視」「Key重視」というような意味合いの言葉になります。
要するに
- コードごとにひとつずつスケールを変えるか
- 楽曲を大きく捉えてスケールを統一するか
というお話です。
コードトーンやアヴェイラブル・ノート・スケールを重視するのがコーダルな演奏。
スケール1発で弾き倒すのがモーダルな演奏です!
バーティカルとホリゾンタルについて
あまり一般的ではありませんが、分かりやすいので「バーティカル」「ホリゾンタル」という言葉でも説明しておきます。
バーティカル(vertical)
「垂直」を意味する言葉です。
五線譜に対しての垂直方向。
つまり、オタマジャクシが重なる方向=コードを重視したアプローチを意味しています。
ホリゾンタル(horizontal)
「水平」を意味する言葉です。
五線譜に対して水平方向。
つまり、長い区間で見たKeyに対するアプローチを意味しています。
バーティカルな演奏 = コーダルな演奏
ホリゾンタルな演奏 = モーダルな演奏
このように覚えておけばバッチリです!
モーダルとコーダルのバランスについて
「Dm7-G7-C△7」というコード進行をに対して
D.Dor→G.Mixo→C.Ion
このように、アプローチするのがコーダルな演奏。
C.Major scale
対して、スケール1発でアプローチするのがモーダルな演奏です。
聴く人を飽きさせない華やかな演奏をするためには、コーダルなフレーズとモーダルなフレーズをバランス良く組み合わせながら演奏することが大切です。
バッキングの場合
的確にコードトーンを狙うコーダルなベースラインと、セクションを大きく捉えてスケール重視で演奏するモーダルなベースライン。
ソロの場合
アルペジオ重視のバップフレーズと、トーナル重視のモードフレーズ。
バッキングでも、ソロでも。
コーダルとモーダル、ふたつの視点をいつでも自由に切り替えられるようにしておきましょう!
演奏中にアプローチの視点を切り替えることで、音の選択肢が広がります!
あ練習するときはコーダルからモーダルへ
- マイルス・デイビス (Miles Davis)
- ビル・エヴァンス (Bill Evans)
- ハービー・ハンコック (Herbie Hancock)
- ジョン・コルトレーン (John Coltrane)
音を自由自在に操るジャズの神様たちは、ビバップというコーダルな世界を駆け抜けてからモードジャズへと移行していきました。
僕自身も、生徒さんがアドリブの演奏を学ぶときにはコーダル→モーダルという順序をオススメしています。
コードの「見える化」が最優先です!
モーダルな考え方は、コードありきです!