【音楽理論】V7の代理としてよく登場するコード3選【IIm7/V】

2022-12-12

IV/VとかIIm7/Vが出てくる曲、めっちゃ多くないですか…？

ジャンル問わず近代の楽曲に頻繁に使用されるコードですね！

音楽を続けていると必ず遭遇するコードなので、この機会に勉強してみましょう！

V7(ドミナント7thコード)の代理コードについて

これ等のコードは、主に

などの用途で使用されます。

【Key=C 使用例】

純粋にV7の代理として置換することはもちろん、
「トニックへのジャンプ台」として配置することもできるアレンジャー御用達のコードです！

とくにIIm7/Vは、お手軽にアニソン感を出すことができるコードとして重宝します！

などの理由から、強烈なドミナント感を中和することができるのがV7の代理コードの特徴です。

V7の代理コードを使うと、曲の雰囲気をマイルドになりますね！

普通にドミナント7thコードを使うよりも、浮遊感があってお洒落な印象になります！

各コードがV7の代理として使える理由

G7	G (Root)	B (M3rd)	D (P5th)	F (7th)
G7sus4	G (Root)		D (P5th)	F (7th)		C (suspend 4th)
Dm7/G	G (slash)		D (Root)	F (m3rd)	A (P5th)	C (7th)
F/G	G (slash)			F (Root)	A (M3rd)	C (P5th)

ばばばばん。
上から順番にV7, V7sus4, IIm7/V, IV/Vです。

『実音で並べてみると、構成音がほぼ一緒！』
これがV7の代理として使える理由です。

IIm7/V = V7sus4(9)
IV / V = V7sus4(9) omit5

この解釈を覚えておくと、スラッシュコードに遭遇したときに

「はいはい、V7sus4ね！」

――という気持ちで簡単に対応できるようになります！

【 omitコードについて】
omit (オミット) = 省略の意

omit3は「3rdを抜いて鳴らしてね！」
omit5なら「 5thを省いて演奏してね！」
という意味合いになります。

ウマ娘プリティーダービーからWINnin’ 5 －ウイニング☆ファイヴ－。

Bメロの終わりからサビにかけてのコードを見てみましょう。　

[Key=E]
A 　　B
 強い気持ちがつなぐ
G#m7　　　　 C#
 心(ハート)はTeam(ひとつ)
　D 　　　　B7sus4 B7 B7sus4 B7
この瞬間に　輝け！

E　　　　 B　　　　　　C#m7 G#m7
WINnin’5 全員(みんな)で叶えてゆく

サビ頭のE( =tonic)へ向かうV7が「コレでもか！」と言わんばかりにV7sus4で延長されています。
サビを先送りするための焦らしコードですね！

まさにサビへのジャンプ台です！

V7とV7sus4のコンビネーションでしっかり勢いを溜めてから、サビで盛り上がりを爆発させています！

Aimerの地球儀。

イントロ, Aメロ, サビが、下記の循環進行で構成されています。

[Key=Db]
| Db△7 | Abm7 |　Gb 　| Gb/Ab |

トニックのDbに戻るためのドミナントAb7の代理としてIV/Vのコードが配置されています。

原型は超ド定番のI-VIm-IV-V7というコード進行なのですが、V7をIV/Vに置き換えることでお洒落感がマシマシになっています！

アイドルマスターシンデレラガールズから、CINDERELLA PROJECTのStar!!。

サビ1周目後半〜2周目頭のコードを見てみましょう。

[Key=E]
A B/A G#m7 　C#
小さ な一 歩だけ　ど
　　F#m7 　　　D　F#m7/B　E
キ　ミがいるか　ら　　星いっ　ぱい 輝く〜

サビ冒頭のトニックに解決するためのドミナントコード(B7)の代理として登場しています。

B7をF#m7/Bに置き換えることで、勢いを殺さずにサビ2回し目に突入しています！

IIm7はIVの平行調にあたるコードなので、IIm7/VもIV/Vも覚えやすいと思います！

ファンクションとしては「サブドミナントの空気を含むドミナント」「ちょっと弱いドミナント」という認識で良いでしょう。