プリアンプとアンプシミュレーターの違いってなんですか?
楽器からの信号を味付けするのがプリアンプ!
アンプからの出音を再現するのがアンプシミュレーターです!
どちらも「アンプ」という言葉が入っているので、混同してしまいがちなプリアンプとアンプシミュレーター。
このふたつは、用途がまったく異なる別物です。
プリアンプとアンプシミュレーターの違いについて
[事前知識]アンプの基本構造について
説明のための事前知識です。
通常、アンプは
- アンプヘッド
- キャビネット
という2つのユニットから構成されていることを覚えておきましょう!
アンプがamplifier(増幅)の略であることも、合わせて頭の片隅に入れておいてください!
プリアンプについて
まずはプリアンプから。
アンプヘッドの中の「楽器からの信号を味付けする部分」のことをプリアンプと呼びます。
お好みの音に調整できるようにツマミがついていることが一般的です。
我々ベーシストに馴染みのあるペダル型のアウトボードプリアンプは、アンプヘッドのなかの音色補正の部分だけを切り出したものなんです。
「音を補正するための回路」という意味では、コンパクトエフェクターもプリアンプの一種ということになります!
パワーアンプについて
プリアンプの説明のついに、パワーアンプについても触れておきましょう。
ベースからの信号をキャビネット(スピーカー)から出力できるレベルまで増幅させる機能を持ったユニットのことをパワーアンプと呼びます。
プリアンプで補正されたサウンドが、パワーアンプで増幅されてキャビネットに送られます!
キャビネットシミュレーターについて
通称キャビシミュについて。
アンプのキャビネットから出力される音を再現するためのシミュレーターになります。
分かりやすい言い方をするなら「スピーカーシミュレーター」です。
プリアンプを通った信号は、キャビネットを通して初めて迫力のあるサウンドになります。
お気に入りのメーカーのキャビネットを通した音を、いつでもどこでも再現することができるようになります。
一般的に楽器の出音の50%はキャビネットによって決まると言われており、
普段我々が耳にする「ベースらしい音」「エレキベース感」を決定づけているのはアンプのキャビネット部分です!
アンプシミュレーターについて
本命のアンプシミュレーターについて。
「実際にアンプで鳴らした音を再現してくれる機材」をアンプシミュレーターと呼びます。
ライブでDIに送る音や、宅録でインターフェイスに送る音。
つまり、LINEの音をアンプで鳴らした音のようにシミュレートしてくれる機材になります。
プリアンプ + キャビネットシミュレーター = アンプシミュレーター
という認識で覚えておきましょう。
プリアンプの特性やキャビネットのサイズはもちろん、それを拾うマイクの種類や位置まで再現してくれるのがアンプシミュレーターです。
アクティブベースのプリアンプについて
おまけとして、アクティブベースに内蔵されているプリアンプについても触れておきましょう。
アクティブベースのプリアンプは、もともとはパッシブベースのノイズ対策用に開発されたのが起源です。
インピーダンス変換によって、ノイズを減らすことが目的なんです。
音の変化やEQの可変機能は、その副産物になります。
「音色を補正するユニット」という意味ではプリアンプの一種で間違いありませんが、アウトボードのプリアンプとはメインの目的が違うことを覚えておきましょう!
プリアンプとアンプシミュレーターの違い まとめ
プリアンプ | 音色の補正ユニット |
パワーアンプ | 信号の増幅 |
キャビネットシミュレーター | キャビネットを通した音の再現 |
アンプシミュレーター | プリアンプ+キャビシミュ |
アクティブサーキット | ノイズ対策用回路 |
以上が、各種の主な違いになります。
最終的に一番大切なのは「自分の求める理想のサウンドが作れているかどうか」なので、すべてを厳密に覚える必要はありません。
アンプシミュレーターをプリアンプ的に使う場合もありますし、
アクティブサーキットの回路のメインの音作りを任せることもできます。
音楽には「絶対にこうしなければいけない!」というルールはないので、正しい知識をもったうえで色々試してみましょう!