そもそもジャズとは?
『Jazz』という言葉が生まれたのは、1915年のニューオーリンズだと言われています。
ブルースやラグタイムの遺伝子を受け継いだジャンルで、
独特の濁った響き・4ビートのなかでドライブするスィングのリズム・そしてアドリブから生まれるその場限りの芸術がジャズの最大の特徴です。
奴隷、人種差別、貧富の差、戦争、売春、ドラッグ。
混沌の歴史の中で交差する黒人のリズムと白人のハーモニー。
人間の欲と穢さがぐっちゃぐちゃに混ざり合う世界で生み出された一筋の光が、ジャズという音楽になります。
人類の到達点、音楽の頂点に位置するのがジャズだと思っています!
ジャズのイメージについて
これまでに、演奏の現場でたくさんの方に「ジャズってどんなイメージですか?」という質問をしてきました。
「ホテルとかレストランで流れてるやつ」
「静かでおしゃれなイメージ」
「ギラギラして騒がしい音楽」
「よく知らない」
「敷居が高い」
その答えは面白いほどにバラバラでした。
これは当然だと思います。
ジャズは時代の変化に合わせて色や形をどんどん変えてきた音楽で、しっとりと落ち着いた雰囲気の中で聴くジャズもあれば、”これは音楽なの?”と耳を塞ぎたくなってしまうようなジャズもあります。
「どの時代のジャズのことを指しているのか」でジャズに対するイメージは人によって大きく異なってくるものなのです。
実はプロのミュージシャンのあいだでも、明確に一言で「これがジャズという音楽!」と自信を持って答えられる方は少ないです。
ジャズの魅力
ジャズは音の対話
ジャズは、音という言語で対話をする世界です。
「音楽で会話をする」という言葉がこれほどまでにしっくりくるジャンルは他にないでしょう。
何それ難しそう…。
全然大丈夫です!
わかりやすく解説します!
例えば。
だんだんステージが盛り上がってきて、一緒に演奏しているサックス奏者さんが高い音を使った演奏にシフトしたとしましょう。
それを聞いたベーシストは「よーし、キミが高い音を使うなら僕は低い音でしっかり支えてあげるよ!」と言った具合に自分が使う音を選択します。
こういうのでいいんです。
これが音の対話です。
楽譜が決まっていないので、決められたルールの中であれば自由にお互いの演奏に応え合うことができるんです!
え、楽しそう!
ジャズの演奏は、いわば台本が用意されていない即興劇。
演奏された楽曲は、一度として同じものは生まれません。
一期一会の芸術、儚さ、限定的なライブ感。
これもジャズの魅力ですね!
誰でも弾ける
優れたジャズのソロは次のものでできています。 1%の魔法と 99%の 説明できるもの 分析できるもの 分類できるもの やればできるもの
ジャズミュージシャンの聖書「THE JAZZ THEORY BOOK」の冒頭に書かれている、僕の大好きな一文です。
「正しいベクトルに努力すれば、誰でも必ず弾けるようになる」というのもジャズの魅力だと思っています。
一見とっても自由にアドリブで演奏しているように思えるジャズですが、その実態はガチガチのルールの上で成り立っているんです。
「ルールがある」ということは、言い換えれば「ルールさえ覚えれば誰でも攻略できる」ということを意味します。
ルールがあるからこそ、分かりやすい!
ルールがあるからこそ、楽しみやすい!
これがジャズです!
「努力は裏切らない」という言葉を身をもって体験できるのが、ジャズという音楽です!
ジャズのルール知りたい…!!
数学的な演奏
上記のお話に関連してひとつ。
僕はジャズを「限りなく数学に近い音楽」だと思っています。
その空間から出題されるアプローチの問いかけ。
楽器の指板は計算機。音楽理論は公式。
知識と経験と瞬間の閃きで解答を紡ぐ時間。
頭を使って音楽を紡いでいく忙しさがたまらなく面白い!
それがジャズの魅力だと思っています!
ジャズ・ミュージシャンには理系の方が多いのも納得です!
BASS NOETは、Jazzの世界へ皆さんをご案内します。